ガングリオン

腎血管筋脂肪腫は良性であり、その症状としても痛みを伴うこともないので基本的に治療する必要はありません。しかし、発生率こそ低いものの、腎臓にできる脂肪成分を持つ腫瘍のなかには悪性のものが存在します。

そして体の内部に出来る腫瘍であるということもあり、良性の腫瘍と悪性の腫瘍は簡単には断言できません。 

そのため、良性の腎血管筋脂肪腫と考えられる場合でも、経過観察が必要となります。

腎血管筋脂肪腫の発生時期は年齢を問いません。しかし、発生した直後はあまりに小さすぎるため認識されることはなく、次第に大きくなる腎血管筋脂肪腫は思春期以降に始めて認識されるようになります。統計的には腎血管筋脂肪腫は50代に見られることが多く、男女比は悪性の場合、つまり腫瘍腎細胞癌の場合には２：１で男性のほうが発生率が高いものの、腎血管筋脂肪腫の男女比は１：３と比較的女性に多く発生するようです。

 

先ほども述べたように腎血管筋脂肪腫は良性の腫瘍で基本的には治療の必要はないですが、悪性の腫瘍であることもあるので、経過観察が必要です。 

しかし、腎血管筋脂肪腫で注意しなければならないのは、悪性かどうかだけではありません。腎血管筋脂肪腫は破裂して出血する恐れがあり、その可能性は腫瘍が大きくなるにつれて増加します。

 

上で述べた理由から腎血管筋脂肪腫はそれが悪性の可能性がある場合のみでなく、腎血管筋脂肪腫が大きくなりすぎて破裂の可能性がある場合にも手術が必要となります。

手術の基準となる大きさは約４cmで腫瘍の大きさがこれをこえると手術を検討することになります。また、そうでない場合にも急激な拡大、異常を見せた場合にも悪性の腫瘍である可能性を考慮して手術とをする場合があります。