ガングリオンと類似した腫瘍
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ガングリオンと類似している腫瘍には下記のようなものがあります。
①脂肪腫
②(紛瘤)アテローム
③軟部腫瘍
これらの腫瘍は要素要素でみていくと全く判断できないほどの類似性をもっている場合もあります。
類似腫瘍を見分ける際には大きさや硬さといった個別のポイントではなく、総合的に判断する必要があります。
これらガングリオンに類似した腫瘍を見分けるためにそれぞれのポイントをまとめます。
・ガングリオン
ガングリオンとは関節近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体がたまる弾力性の腫瘤で、超音波検査上は低エコーの病変である。液体は穿刺吸引が可能である。内容物が線維化すると硬結と触知され、やや高エコーとなり穿刺吸引できなくなる。無症状だが、神経や腱を圧迫すると痛みを生じる。若い女性の発症率が高いと言われている。発症メカニズムは現在も詳しくは分かっていない。「軟骨が出てきた」と誤解されている場合がある。
・脂肪腫
脂肪腫とは脂肪組織が皮膚下や筋肉の間にたまることによって生じる脂肪の塊のことで、良性の軟部腫瘍です。脂肪腫ができると皮膚が盛り上がり、柔らかいしこりがあらわれます。脂肪腫は長い時間をかけて次第に大きくなりますが、痛みを伴わないので経過観察だけで終えることも可能です。
一般的な腫瘍は直径5cmを超えると悪性の可能性が高いと言われますが、脂肪腫は例外的に巨大なものもよくみられます。直径数mmの小さな脂肪腫も見られますが、直径が10cm以上にもなる脂肪腫も存在します。
・紛瘤(アテローム)
皮膚の下に袋状の構造物ができ、この中に、本来なら皮膚から剥がれ落ちる角質だとか皮脂が、落ちずにたまってしまった結果、できあがった腫瘍(しゅよう)のことを、粉瘤(アテローム)といいます。
しばしばあやまって「脂肪のかたまり」と見なされることがありますが、本物の「脂肪のかたまり」は脂肪腫と呼ばれます。
しかし、本物の脂肪腫よりも粉瘤の方が発症例が多いので、俗名として「脂肪のかたまり」と呼ばれることが多くなっているのです。粉瘤(アテローム)は、良性の腫瘍ですが、非常に稀な例として、悪性化(がん化)することもあります。
・軟部腫瘍
軟部腫瘍は、全身のあらゆる軟部組織に発生する。痛みを伴わないしこりとして自覚されることが多く、そのためにある程度の大きさになるまで病院を受診されないこともある。大別すると良性腫瘍と悪性腫瘍に分類され、良性腫瘍は手術が治療の中心となるが、悪性腫瘍(軟部肉腫)は、肺などの遠隔組織へ転移することがあり、悪性腫瘍でも悪性度が高いものは化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療、手術を組み合わせた治療が必要となることがある。5cm以上の大きさの場合には、悪性である可能性が高くなり、慎重な精査が必要となる。軟部肉腫の発生部位は、大腿部が最も多く、次いで前腕、上腕、背部が多い。また、軟部組織の腫脹で、腫瘍と鑑別がいるものに、ガングリオン、血腫、膿瘍、炎症性肉芽などがある。
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